注文住宅を建てる場合といいますか、家を建てる場合、間違いなく予算オーバーしていくというのは、このサイトでも常々書いています。
予算オーバーの可能性があるとかそういうレベルではなくて、絶対に予算オーバーになります。
間違いありません!
いろんなメーカーのショールームに行ったり、住宅展示場などに行けば行くほど予算オーバーします。
今までどうでもいいと思っていた部分に拘りが出てくるのですから、そういった部分のコストがどんどん上がっていくのは当たり前です。
いいなぁ~と思った時点で、完全に負け試合です。
とはいえ、知らずに建てて後から、もっと調べれば良かったと思うのも嫌なものですから、とりあえずは調べてあとは取捨選択していくしかありません。
取捨選択は、どこにポイントを置くのかをはっきりさせて置く必要があります。
見栄をはりたいのか、生活しやすい点を重視するのか、いろいろあると思いますが、その軸を明確にしておかないと、判断が曖昧になってしまい、取捨選択に困ります。捨てられないと、予算オーバーするのは致し方ありませんね。
また、見栄を張る場合は、予算オーバーは覚悟しておきましょう。
だいたいにおいて、格好いいモノは高いのです。機能性の高いモノは高いのです。従って価格が上がるのは当然なのです。
予算オーバーからのコストダウン
予算オーバーしても支払ができるのなら問題ありませんが、通常は支払える金額の上限があるでしょう(だからこその予算ですが)から、なんらかのコストダウンをする必要があります。
家を建てるコストを下げる方法は沢山あるのですが、基本的にはどれも難しいです。
あまり決め手がないのです。
どのコストダウンの方法も極めて地味で、金銭感覚が狂ってる施主にとっては無策に思えてきます。
こちらにも書いたのですが、そもそも3,000万円とか普段考えたことのないような金額の買い物をするのですから、その中で数万円をケチってコストダウンしていくというのはとても難しいのです。
予算オーバーの金額って100万円単位だったりします。しかし、コストダウンは数万円単位です。
そしてコストダウンの為には、当然ながら我慢する必要があるのです。それも数十回以上の我慢を積み重ねてようやく100万円減らせる計算です。
こうして書くと、そんなに難しく内容ですが、一つ一つの積み重ねで、それを我慢していくというのは、建ててる家がとても安っぽく思えてくるのです。
夢や希望を持って家を建てるイメージがあると思うでしょうが、むしろ逆で、夢や希望をどれだけ捨てられるかが勝負になってくるのです。
もちろん、拘りのない部分でコストダウンができれば問題ないのです。
しかし、いざコストダウンをするという話になって、例えば、引戸を開き戸にすれば2万円位安くなりますという話が出てきます。開き戸で別に問題ないという箇所ならそれでいいんでしょうが、できれば引戸の方がいいんだけどなぁ、と思う場合が困ります。
開き戸にしても問題ないと思っているのですから開き戸にすればいいのでしょうが、その箇所がたった1箇所だったらどうでしょう?
1箇所を引戸から開き戸にしても僅か2万円のコストダウンです。家全体の金額からすれば誤差の範疇です。
このときに、本当に我慢できるのか?ということなのです。実はこういうことの積み重ねでコストダウンしていくのですが、ちょっと気が遠くなると思いませんか?
2万円って誤差の範疇ですと書きましたが、全然誤差じゃないよと思う人もいるかもしれません。
でも、家の見積もりを見ると、未だにこんなにどんぶり勘定で計算しているのか?って思いますよ。
キッチリ出しているところは出しているのかもしれませんが、それでもどんぶり勘定な感じが全然出てきます。
だってね、簡単に数十万円値引きしますって言われたりすると・・・それ、どこに隠してたんだ?って思うわけです。
こっちは必死にコストダウンしようと思っているのに、ベースとなる見積もりがどんぶり勘定だと思うと、テンションダダ下がりです。
そんなわけで、一度出てきた見積もりのコストダウンは想像以上に難しいと思った方がいいでしょう。
土地探しとコストダウンのポイント
それでも、コストを下げるポイントはいくつかあるようですが、ポイントの一つが土地探しです。土地を既に購入したとか、もともと持っている場合はともかく、今から土地を探して購入しようという人は、土地探しは様々な点で最重要課題の一つです。
そして、土地探しは家を建てるに当たってコストを上げかねない要素がありますから、土地探しは十分に注意する必要があります。
安価な土地を購入したために、いざ建物を建てようとすると想定外の費用が大量発生するなんてことは十分ありえる話なのです。
土地の地盤が弱ければ地盤改良費用が発生
まずは、地盤の堅さです。地盤が緩いところの土地を買うと、地盤改良に費用がかかってしまいます。
地盤改良は、数十万円はかかるため、ココはかなり大きなポイントです。ただし、地盤の堅さについては、基本的には博打です。購入してみて実際に調査してみないと何とも言えません。
とはいえ、おおまかには分かりますよね。昔田んぼばかりだったり、川沿いの土地は比較的弱いでしょう。そんな感じで地域全体的な感じではある程度予想はできますが、だからといって地盤改良が必要か否かはやっぱり調査してみないと分かりません。
ただし、購入前に地盤調査させてくれることもあるようです。
それに、地盤改良の有無は、ハウスメーカーによってその基準が異なります。私が建てた分譲地でも、隣3軒は地盤改良しませんでしたが、我家は地盤改良しています。隣3軒は建売として家を建てていますが、我家は注文住宅で別の工務店で建てている為、地盤の見方も違うのです。
基礎工事をする時に、建売住宅の場合は、ほとんど穴を掘り下げないで工事をするケースもありますが、我家は工務店の社長が拘りがあるようで、そこはしっかりとしたいと言うことで、地盤も固くして建てるということでした。
従って、恐らく我家の土地に建売住宅が建っていた場合は地盤改良しなかった可能性が高いです。実際、土地を買うときに地盤改良はいらない筈だと売主もおっしゃっていました。
土地の中に残留物が残っていることもある
地盤改良ではないですが、もともと大きな建物を建っていた跡地なども、解体時に地面の中に基礎を残しているケースもあるようですから、下手をするとそういう残留物の処理費用が発生するケースもあるようです。
これに関しては、解体業者が手抜きをしているなどもあります。
これも実際に買って穴を掘ってみないと分からないでしょう。少なくとも素人が見ても分かりません。
土地の形や道路の幅でも建物のコストが変る
建物は正方形に近い方がコストは安くなる傾向にあります。
変形の建物はその構造が複雑になりコストアップの原因となりますが、逆に正方形になると、壁が最小になり、また構造も安定することからコストは下がります。
しかし、都市部などでは土地の形状に合わせて建てる必要があります。正方形の家を建てる為には正方形の家が入る土地を購入する必要があるのです。
また、最近は棟上げにクレーンを使いますし、そもそも資材を搬入するのに軽自動車しか通れないとなると、どうしてもコストがかかります。
盲点なのが、家の周辺の道は広いけど、その道に繋がる道が狭くてクレーン車が通れないと言うケースもあるようです。
大型のクレーン車が入れないような土地の場合は、資材を搬入するコストなどもかかってきますし、人件費も余分に必要となり、土地代が仮に少々安くてもトータルのコストでは高くつくなんてこともよくあるようです。
このように土地選びで100万円位は簡単に差が出てきますので、安易に気に入ったからといって購入してしまうと、思わぬ出費と言うことになりますので、予算と相談しながら土地選びはしたいところです。
分譲地の多くは建築条件がついている
分譲地として販売されている土地の多くは、建築条件が付いていて、自分が好きなハウスメーカーなどで家を建てることはできません。
多くは建売住宅のような家になるのではないかと思います。
その建築条件を外してもらうことができれば、自分で好きな家を建てることはできますが、この場合はコストダウンではなく、コストアップになります。
加えて、自分で好きな家を建てるわけですから、この点においてもコストアップです。
土地の広告で、参考の建物の間取りと価格が掲載されていることがありますが、その価格よりは間違いなく上がります。
予めこれらの点は考慮しておかないとあとあと予算が足りないなんてことになりかねません。
その他のコストダウンについては別途書いてみます。