都市部に家を建てようとする場合、防火地域とか準防火地域に指定されていることが多いです。

この準防火地域に指定されていますと、いろいろと制約が出てきまして、注文住宅といえどもなかなか自由な間取りにはできません。

2階建てはまだマシですが3階建てになるとさらに厳しくなってきます。というわけで、我が家は2階建てにしました。

間取りだけならいざ知らず、防火対応の窓にしないといけないなどかなり細かな制約があります。

特に問題なのが窓です。

準防火地域で問題なのが窓

準防火地域の窓は網入りなどの防火対応にする必要があります。

このくらいのことであれば、さほど問題ではありません。

しかし困ったことに、この防火対応の窓の場合は防犯ガラスに対応していないことが多々あります

そうなんです。準防火地域では、防犯ガラスの窓設置するのはなかなか難しいのです。

そもそも、準防火地域はだいたいにおいて都市部ですから、本来ならば積極的に防犯ガラスを導入したい地域にもかかわらず防犯ガラスが使えないという不可思議な状況となっています。

メーカーの怠慢ですね。政府との絡みも色々あるような印象ですが・・・

文句を言っていても解決しないので、一応解決策を考えます。

この場合、大きく2つの解決策があります。

一つが、防火対応ではない防犯ガラスの窓にして防火対応のシャッターをつける方法です。

もう一つが、防犯ガラスに対応した窓にすると言う方法です。あるのかよ?!という突っ込みもあろうかと思いますが、掃き出し窓はもちろん通常の引き違い窓にもありません。これらは全て前者の防火シャッターと組み合わせる必要があります。

格子付きの引き違い窓というのも防犯ガラスに対応した窓は無いようです。格子がが付いているから必要ないと考えているのかもしれませんが、アルミの格子なんてモノは抑止力程度で、防犯性能としてはさほどの効果は期待できないので、いかがなものかと思ってしまいます。

余談ですが、防火用の網入りガラスの窓は一見防犯性がありそうですが、あの網には一切の防犯性能はありませんので、勘違いされないようにw

 

さらには、勝手口も防犯ガラスには対応していません。そして、困ったことに、ガラスのついていない勝手口ドアというのはそもそも存在しません

いえ、なくはないのですが、いわゆる倉庫のドアのようなとてもキッチン横につけられるような代物ではありません。

さて、こうなると、防犯をどうするのか?と言う問題に悩まされます。

窓と防犯

窓は開口部ですしほとんどの泥棒は窓から侵入するそうです。

そのほとんどは、鍵がかかっていないなど防犯対策を講じているとかいないのレベルの話ではないのですが、新築となると、それなりに検討する必要はあるところです。

 

はっきり言ってしまうと、「泥棒が本気出したら入れない家はない」わけで、ルパン三世に狙われたら諦めるしかないのです。

例えば、窓が一切ないとしても壁に穴を開ければ入れます。木造住宅の壁なんてモノはそれなりの道具を用意すれば動作もないことです。

そんなわけで、防犯対策というのはどこまでやるのか?という問題でもあります。

そもそもルパン三世のような泥棒が本気出して盗みに来るようなモノは我が家にはありませんから、そこまでの防犯性能は明らかに過剰です。

ではどうしようとなると、通りがかりの泥棒に、この家は面倒臭そうだなと思ってもらえるような家ではありたいわけです。

一般住宅に必要なのは、泥棒に「あの家は面倒臭い」と思ってもらうことです。

例えば、セコムのシールを貼っているなんては抑止力の一つです。防犯ガラスもその一つです。格子も、シャッターもその一つです。

目指すのは、完全な防犯ではなくて、泥棒にとって面倒臭い家です。

 

さて、ではどういう窓がいいのでしょうか。

鍵がかかった窓の場合、泥棒は最初に窓を割りますね。そして鍵を回して入るというのがオーソドックスなケースでしょう。

窓の前に、シャッターや面格子があると、それを突破する必要がありますので、これらがついていると抑止力になります。

しかし、手動シャッターの場合は、通常の窓を破るのとさほど違いはないそうです。抑止力としては働きますが、効果としては多少の時間稼ぎに過ぎません。

ところが、手動シャッターではなくて、自動シャッターになりますと、手動とは全く異なりかなりの防犯性能を発揮してくれます。というのも、自動シャッターの場合、シャッターが降りるとロックがかかってしまうので、そのため、手で開けようとしてもあかないのです。

防犯目的でシャッターをつけるのなら絶対に自動シャッターでなくてはなりません。防犯性能を考慮しないのであれば手動シャッターで問題ありません。例えば、台風の時だけ閉める目的でシャッターを取り付けるのであれば手動シャッターで十分なのです。

防火地域の場合はシャッター付きでないと網入りガラスになるなどがありますから、網入りガラスが嫌だといういう理由だけなら手動シャッターでいいのです。

しかし、防火地域で防犯ガラスを使えないからシャッターをつけて防犯性を高めるのなら電動シャッターにしなれければなりません。

ただし、高価です。しかも、電気製品ですから10~20年ほどで故障すると言われており、水回り同様で消耗品と考えなくてはなりません。

勝手口も泥棒用の入り口?

ところで、どうして私が勝手口のことを調べたかといいますと、工務店の人に、「災害時のために玄関以外の出入り口を確保しておかなくてもいいですか?」と訊かれたせいです。

正直そんなことは考えもしなかったですし、災害なんて一生に一回あるかないかの出来事ですから、そのためにわざわざ勝手口をつける必要があるかと言われると、いらないようには思ったのですが、窓の代わりとしても使える勝手口がありましたので、軽い気持ちでつけてみようかなと思ったのです。

ところが少し真面目に調べて見ると勝手口は防犯面からみると弱点になりかねないですし、しかも、防犯ガラスが使えないというもはや泥棒にこちらからどうぞと言ってるような代物に見えるのです。

では、勝手口をやめてどうするか?となりますと、選択肢としてはシャッター付きの窓にする方法がありますね。

これだと、多少出入りが難しくなりますが、出れないと言う問題はなさそうです。

ただし、このシャッター付きの窓の場合、防犯性で考えるとシャッターを毎日閉める必要もあります。もちろん防犯ガラスに対応すればいいのですが、それでも毎日シャッターを閉めた方がいいでしょう。

しかも、自動のシャッターであれば、タイマー機能なんてものもありまして、毎日決まった時間に開けたり閉めたりしてくれます。

お~~~~完璧!!!

と思ったのですが、ところが、この自動シャッターには最大の弱点があります。

電気系統がやられますと、開け閉めできないのです。災害時の脱出用の窓のシャッターが災害時に開かないなんて笑えない事態が想像できてしまうのです。

停電がその最たるものですが、他にも電気製品ですから10年くらいすると壊れてしまう可能性がかなり高い。10年とはいわずとも20年はかなり微妙です。

 

ですから、こういう用途で検討しているのであれば、手動シャッターになるわけですが、手動シャッターを毎日開け閉めするなんてことができる人は一体どの位いるのでしょう?

少なくとも私は、我が家の家族には無理ですw

では、どうしましょう???

日頃は、防犯ガラスに頼ると言うことになりそうです。

 

 

結局、我家の勝手口は、通常の玄関ドアを付けることとしました。

勝手口用のドアは、アルミでちゃっちいんですが、価格的には玄関ドアと変らないのです。しかし防犯性能で考えると明らかに玄関ドアの方が優れています。

勝手口のドアなんて、簡単にこじ開けられる印象です。

それにね、これも防火地域の問題なのですが、防火対応の勝手口ドアの格子は、横だけです。格子状になったものはありません。

窓についてる格子は、格子状になっているから入るのが難しいんです。これが横棒だけとなると、1~2本切れば簡単に入れてしまいます。

そんなわけで、勝手口ドアを1Fにつける勇気が私にはありませんでした。全く使用できない代物に見えるのです。

逆に玄関ドアの堅牢性は言うまでもありません。デザイン的にも実に様々です。価格は高い印象があるでしょうが、裏口だということでシンプルなデザインを選びさえすれば勝手口ドアとほぼ同額程度です。

ちょっと、大袈裟過ぎるというのが難点ですが・・・

こんなことなら、裏からも本格的に出入りできるような間取りにしておけば良かったと思いましたが、後の祭りです。

 

とにかく、防火・準防火地域における防犯を考える窓選びは、何とも言えない不可思議な状況ですが、最初に十分検討しておいた方が良さそうです。

更新日:2019/06/09 23:37:48

この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。