家を建てるためには、当たり前ですが土地が必要です。
土地を持っている人はいいでしょうが、土地探しってなかなか大変なのです。
でいい土地が見つかったと思ったら、建築条件付き土地ということも珍しくはありません。
建築条件付き土地は、基本的には建売住宅のようなものですから、自分が思っているように自由に建てることはできません。
では、建築条件付土地の建築条件は外して貰えないのでしょうか?というのが、今回のテーマです。
家を建てるには土地探しから
土地探しをするためには、どの位の大きさの家を建てたいのか、庭は必要なのかなど、おおまかなプランが必要です。
そこが決まると、必要な土地の大きさが見えてきますから、さて、いよいよ土地探しということになります。
もちろん、気に入った土地があるのなら、そこから家の大きさを決めていってもいいでしょう。
我家の場合は、子供が小学校、中学校に通っていることもあり、できれば校区内で・・・という制約条件のもと探し始めたわけですが・・・
我家の希望は、30坪くらいの土地でした。ところが、この地域というのは、30坪の土地というのはなかなかない地域だそうで、建売住宅でみましても20坪強の土地が多いのです。例えば40坪弱の土地があるとすると、それは分割されて売られることが多いそうなのです。
だいたい下手すると100万円/坪することもあり、多少エリアを広めても60~80万円/坪くらいの地域です。
40坪だと、土地だけで3,000万円という金額になりますから、普通はなかなか手がでないですよね。だから分割して20坪にして1,500万円くらいにして売ろうと言うことになるようです。
そんなわけで、そもそも30坪の広さの土地自体が全くなかったのと、ほとんどが建築条件付きの土地でした。
インターネットで検索して探した場合、ほとんどが建築条件付き土地となっているのではないでしょうか。都心部で一軒家を建てるような広さの土地といいますと、当然ながら一軒家を建てる人が購入しますから、不動産会社は建物込みで販売するわけです。その方が儲かりますからね。
この場合、土地の価格にはあまり利益を載せていませんので比較的安価な設定になっているのです。そのため、建築条件付き土地というのはなかなか魅力的に見えたりもするのです。
建築条件付きの土地って結局は建売住宅
でも、建築条件付きの土地って結局は建売住宅とほとんど同じです。
自由設計プランってことになっていますが、建てられる家はかなり制約ありまして、まだ建てていない建売住宅だと考えて問題ないようです。
ですから、好きなハウスメーカーで建てるということはまずできません。そもそも20坪程度ですと住宅展示場でよく見る有名なハウスメーカーではなかなか建てるのは難しいですし。
建築条件付き土地の建築条件は外せる可能性がある!
では、建築条件付き土地の建築条件って外せるのかなぁ・・・と思って訊いてみると外せないこともないようです。
ただし、ほとんどの場合、価格が上がります。
上述しましたように不動産会社は、建物込みで販売することで利益をあげる事業計画を立てていますから、土地だけ売ってくれと言われると儲けが減ります。
しかも、土地代として表記している価格には利益がほとんどのっていませんから、そのままの価格で売ってしまうと、ほとんど儲けがないという会社としては笑えない状況になるのです。
従って、価格は上乗せされるのです。
建築条件付き土地の建築条件は外す時の相場
建築条件を外すとどの位上乗せされるのか、相場が気になりますよね。
これもケースバイケースですが、私がいくつかの土地で確認した時は、概ね1割程度でした。3,000万円の土地でしたら、3,200~3,300万円位になることがほとんどでした。恐らくこのくらいが相場なのだと思いますが、地域毎に相場が異なるのかもしれません。一応の目安だと考えてみてください。
私が探していた地域の場合、建売住宅というのは土地が20坪前後で価格は3,000万円台後半がほとんどです。
この場合の内訳としては土地が2,000万円、建物が1,500~1,800万円位だろうと思われます。
そして、この場合の不動産会社の利益は恐らく500万円ほどのようです。建物を原価1,000万円で建てて1,500万円で売る感じだと考えればいいでしょう。
建物って1,000万円で建てられるの?って感じがしますが、建売住宅の建物はだいたいそのくらいの価格で建てちゃってるみたいです。
いわゆるローコスト住宅といってもいいと思います。
もうちょっとマシな感じだと建物1,800万円。その原価が1,400万円ほど。そして建物の利益が400万円で、土地の利益が100万円の合計500万円の利益というところでしょうか。
それはさておき、本来なら500万円儲ける予定の物件を100万円ほどの利益で売りたくはないですよねぇ。
事業計画がなんてものもありますから、売りたくても売れないなんてこともあるかもしれません。
従って建築条件を外す場合、さらに400万円くらいのせたいところを我慢して300~400万円位の利益で売ろうとするわけです。
と言うわけで、建築条件を外すことは不動産会社にとってはできれば避けたいことなのです。
建築条件を外して貰う為には1割くらいは割高になるのは致し方ないところです。そもそも、外してもらえないと言うケースも少なくありません。
それは上述したとおり建物込みで売れる可能性のある土地をわざわざ安い利益で売りたくはないからにほかなりませんし、事業計画、抵当権、融資絡みなど様々なしがらみで売りたくても売れないというケースもなくはないようです。
それでも、不動産会社にしてみれば、売ってしまいたいケースもあるわけです。
その最もありがちなケースは、売れ残りですね。
この場合は、あまり価格が割高にならない可能性は十分ありえます。
一般的に建売住宅で1年以上売れていない場合、事業計画をミスってる可能性が高いので、こういう場合は、早くその土地を手放したいと考えている可能性は十分あります。そうなると買手有利の状況ですから、比較的安価に購入できる可能性はあるでしょう。
逆に売りに出たばかりの分譲地の建築条件を外して貰うというのは難しいわけです。売れ行きがいい状況なら尚更です。
しかし、最初から諦める必要はありません。
とりあえずは「建築条件は外せますか」と訊いてみた方がいいでしょう。訊くだけならお金はかかりませんから、とりあえず訊いてみましょう。
売主と不動産屋との関係によっては、外して貰える可能性は当然ありますし、条件も比較的いい条件の場合もあります。
私の場合などは、ある物件の建築条件を外せるかを訊いたところ、同じ売主さんの別物件を紹介していただき、結局その別物件の方を購入しました。
特にこの場合、まだ分譲地としては一般的に公開される前だったこともあり、比較的安価に紹介していただきました。安価といっても一般的な相場からすると高めではあります。
こんなこともありますから、とりあえず訊いてみる方がいいでしょう。
また、不動産屋に関しても、その土地の地域に強い不動産屋を選んだ方がいいのは間違いありません。
大手不動屋にしても地域で得手不得手というのがあります。その土地に強い不動産屋を見つけると交渉力もありますし、情報力も豊富です。
地元の小さな不動産屋ももちろんいいでしょうが、大地主以外の人が売りに出す場合は、大手不動産屋に連絡することも多いでしょうから、必ずしも地元の不動産屋が強いとは限らないのです。
このように建築条件付き土地でも建築条件を外して貰える可能性は十分あります。そして、その相場は1割程度の価格上乗せくらいではないかと思います。もしかしたら相場にも地域差があるかもしれませんので、あくまでも私が実体験で感じた相場です。