家を建てるにあたり、私が最も重要視したことの一つが床暖房です。
冷え性の私にとっては正に必須設備です。
これまでは、電気式の足元ヒーターの上に足を置いて仕事をしていましたが、当然ながらそれだけでは寒いのでエアコンはつけます。
ところが、エアコンがとても苦手なのです。エアコンで暖房をすると、頭がのぼせたようになって、顔だけぽっかぽかになってしましまう。
ところが、床暖房だと、そういうことがなくなるようで・・・
もちろん床暖房の宣伝文句であります。そもそも、床暖房自体は何度か体験はしていますが、長い時間を滞在したことはないので、あくまでも人から伝え聞いた情報に過ぎません。それでも、どうしても床暖房が欲しかったのです。付けないで後悔するくらいなら、付けて後悔したい!そのくらい床暖房は欲しい設備でした。
熱は下が冷たく上が暖かくなりますから、そういう意味でも床暖房というのは理にかなっていますから、これはもはや必須でしょ!というわけで、「床暖房をつけないなら家は建てない!」と宣言しました。
床暖房の種類
床暖房と一口に言っても、その種類はいくつかあります。
一般的には、電気式とガス式に分かれます。
電気式の床暖房の種類
電気式は更に、ホットカーペットのような電熱式と温水式に分かれます。
厳密に言うと電気のヒーターの方式はもうちょっと細分化されますが、私自身あまり興味が無いので、ここではこの3分割にしておきますw
どうして興味が無いのかというと、やっぱり気になるのが電磁波です。私自身は電磁波過敏症ではありませんが、避けれるものならなるべく避けたいと思っています。メンテナンス面を考えると、温水式よりはメリットがあるので、電磁波云々が気にならない人なら悪くないとは思います。
電気の足元ヒーターの上に足をのっけてこの記事を書いている私が言っても説得力に欠けますが、他の選択肢があるのであれば、なるべくならそうしたいと思うわけです。
そんなわけで、私の中の床暖房には、温水式以外はあり得ないのであります。
あとは、温水を電気で沸かすかガスで沸かすかの選択のみです。
ではどちらにするのか?と言うことですが、オール電化にするのなら選択の余地はありませんが、我が家はガスを使うので、どちらでも選択できます。
となると、コスト的な問題です。コスト以外の違いと言えば、立ち上がりの暖まり方がガス式の方が早いというメリットはあるようですが、それ以外はあまり大きな違いは無さそうです。
床暖房の価格
コストには、初期費用と、ランニングコストの2種類があります。
初期費用というのは、いわゆる床暖房本体の価格と、工事費です。
まず、本体価格についてはガス温水式床暖房の方が安価です。
ヒートポンプ式と比較すると、2倍くらいの価格差があるようです。ただし、これも単純に比較できるわけではなくて給湯機能も備えていたりするので、2倍はちょっと大袈裟なのかな?とは思いますが、いずれにしてもかなり高めです。
また、たとえガス式にしてもオール電化の家であれば、かなりコストがかかる可能性はありますので初期費用は家全体で計算する必要があります。
床暖房のランニングコスト
ではランニングコストは?というと、これはヒートポンプ式の方がガス式の半額近くにまで低いようなのです。すなわち使えば使うほど安くなる計算です。
しかも我が家は、太陽光発電も検討していました。これは売電目的ではなく、電気代を気にせずに使う為に設置したいと思っているので、そういう意味ではヒートポンプ式が圧倒的に良さげなのです。
じゃあ、ヒートポンプ式で決まりな感じですが、電気式の場合、電気容量を上げる必要がある場合があり、その場合は基本料が上がってしまいます。
また、ガス式の方がパワーが強く最高温度は高く複数の部屋を同時に使用してもしっかり暖まるとか、給湯器がコンパクトであるなどのメリットがあります。
さらにヒートポンプは低周波騒音で訴訟になったりもしているので、密集地での設置は若干躊躇する気持ちも出てきます。
ただし、ヒートポンプ自体はエアコンでは普通に利用されている技術であり、さほど気にしなくてもいいのかもしれません。
それでも低周波の問題に関しては明確に原因が分かっているわけではないようですから、多少のリスクは現時点ではありそうだと思っておいた方がよさそうです。
エコキュートはデメリットも多い印象
エコキュートを利用する場合は、夜間電力を利用してお湯を沸かしますが、昼間電気を使うと一気に高くなってしまいます。
エコキュートはお湯がすぐに出ない、お湯切れの心配があり、お湯の勢いもガスと比較すると弱いとの口コミをチラホラみかけます。
2階にお風呂を設置するとお湯張りやシャワーなどに適さない、飲むことはできないとか、設置面積が大きいなどなど、デメリットも結構あります。
我家は風呂が2階ですから、ちょっと・・・なのと、家族が5人なのでお湯切れの心配もありますので選択肢にも入りませんでした。
エコジョーズで床暖房のガス代はどの位下がる?
ではエコジョーズにする方がいいのか?というと、エコジョーズは熱効率はいいのです。
しかし、ランニングコストは思ったほどは下がらないのかなという印象です。
エコジョーズにすると15%ほど下がるのですが、基本料金を省くと我が家では月間400~800円位なのかな???という感じで、オール電化ほど劇的な変化は期待できません。
このくらいの金額だと、運用次第で簡単に変ってしまう金額ですよね。そもそも月間数千円のコストですからそういう意味では十分なコストダウンなのですが、何分家を建てるとなると半端ないコストがかかるので、月間1,000円安くなりますと言われてもあまりピンときませんねw
ガスの場合であればエコウィルやエネファームも検討の余地が出てきます。
エネファームはお湯を沸かしながら発電するのですが、床暖房で使用するお湯を沸かしても発電してくれません。余談ですが、お湯を沸かすとは言っていますが、床暖房の温水は、水ではなくて、専用の液体ですから別システムになるということなんでしょう(ガスの場合は普通のお湯との説もあるらしい)。
エコウィルやエネファームは決してシステムとしての完成度が高いものとは言い難い印象ですので、とりあえずはガスならエコジョーズが妥当なところだと思われます。それでもエネファームにした場合のランニングコストはかなり下がると聞かされましたが・・・
コスト面でみると、エコキュートが優れている印象ですね。オール電化なら尚更でしょう。
そんなこんなで、我家は、結局エコジョーズにしました。実際のランニングコストについては後述しています。
床暖房の初期費用
話は初期費用に戻りまして、床暖房の価格です。
これは、設置面積が大きくなればなるほど、㎡当たりの単価は下がるのは言うまでもありません。
実際の価格なんですが、よく分からない・・・というとなんですが・・・
分かるのは分かるんですけど歯切れが悪いのは、我家の場合はいくらだったという価格は分かるのですが、じゃあ、もっと広い面積に設置すればどうなったのかはわからないので、たぶん、これを読んでいる人の参考になるような価格が分からないのです。
どうも建築関係というのは価格がどんぶり勘定な部分がたぶんにあるようでして、逆に言えば、多少の金額の上下はそのどんぶり勘定の中に埋もれてしまいます。
そうはいっても、目安程度は気になるでしょうから、そういう意味での価格を書いておきますと、
6畳ほどの場合で、税抜の定価ベースで120万円のようです。(^^;
もし、これから新築や改築で床暖房を検討しているのであれば、大阪ガスなどのHP内に概算が紹介されています。
パネルの定価などが掲載されていますから、実際の部屋の広さに合わせて何枚必要か計算してみれば、ざっくりした定価ベースの価格は計算できます(給湯器などはまた別途計算する必要はあります)。
定価ベースですから実際の価格はもっと安いです。我家の場合は定価の6割を切るくらいの価格だったようには思います。
なお、エネファームにすると、価格は上がるんだけど、補助金などの諸々の割引があり、実際には50~60万円UPくらいの印象でした。興味がなかったので、詳細は確認していませんが・・・
ガス温水床暖房のガス代・電気代は思ったよりは安い…エコジョーズ万歳?!

というわけで、上の写真は、2階リビングの床暖房の施工中です。
さて、実際に床暖房を設置するとなると、気になるのは、光熱費ですよね。ガス代と電気代でしょうか。
ガスの床暖房の場合は、ほとんどがガス代です。
はたしてどの位かかるのでしょうか・・・
といっても、これはいくらくらいですと私が書いたところで大して参考にならないということを、今実感していますので、細かい話は書かないことにします。
大して参考にならないだろうと思うのは、部屋の機密度、床材の素材、家具類の量などで随分と異なりますし、何より気温に大きく影響を受けますし、体感温度という主観的なものも多分に影響します。
だいたいにおいて、私と子供では寒いという気温が全く違います。そう考えると、施行前に細かなことを考えても仕方ないのかな?と思うのです。
とはいえ、施行前に光熱費の変化が気になる気持ちもわかりますから、我家の場合ということで紹介してみます。
引越し前の我家のガス代ですが、最も寒い季節で1万円ちょっとでした。そのほとんどは風呂でしょうか。
キッチンや洗面所もガスを使いますが、風呂に入るタイミングが家族でバラツキ始めた頃からガス代が格段にアップしたので、風呂の追い炊きがかなり影響していると思います。
ところが、引越し後、床暖房とは関係ないのですが、風呂の保温力が格段にアップしていまして、2~3時間経っても追い炊きする必要がないレベルでお湯が暖かいのです。
私は熱い湯が好きですが、子供はもう少しぬるめが好きです。私がだいたい最初の方に入りまして、子供らは帰ってきてから入ったりしますから私が入った2~3時間後に入ったりすることもありますが、そんなに熱いお湯でなくてもいい彼らは全く追い炊きの必要性はは感じないようです。
ちなみに私が2~3時間後に入った場合は少し追い炊きしたいかな?と思わなくはありませんので、この辺は個人差が大きいでしょう。
こんな感じで真冬でも追い炊き回数が大幅に減った我家ですから、引越し前の家で考えるとガス代は6,000~7,000円くらいになっていたのかもしれません。
さて、ここで、肝心の床暖房の話です。
では、引越してからガス代はどうだったかというとやっぱり10,000円強でした。
給湯器にもガス代の概算が表示されるのですが、概ね400円/日くらいですから、まあ、そんなところなんでしょう。
と言うことは床暖房で3,000~4,000円上がっている計算です。
床暖房の使用時間は、仕事部屋が毎日7時間くらい。リビングが朝晩それぞれ3時間くらいでしょうか。トータルで13時間/日くらい使用していますし、家全体の広さが増えていますから、案外安くはないでしょうか?
仕事部屋は1階で2階よりかなり寒く、加えて床材が30mm厚の赤松で床暖房がかなり効きにくいです。そのため設定温度は高めですし、石油ストーブなどを併用します。
というよりは、部屋の温度が低いときには、床暖房と石油ストーブなどを併用してまず部屋の温度を上げます。そうすると、あとは部屋全体が暖かくいい感じです。
どうしても床暖房は暖まるまで時間がかかりますし、部屋全体を暖めるのにはちょっと物足りないので、エアコンやストーブなどと併用したいところです。
外気温が比較的高くて、一度部屋の温度が上がってしまえば床暖房だけでも十分寒さをしのげますが、そうでない場合は床暖房だけではちょっと物足りないなというのが私の感想です。
ただ、妻や子ども達は床暖房だけでも十分そうですし、2階のリビングは床暖房だけで過ごせています。2階は1階よりはだいぶ暖かいのと人口密度が高い(^_^; のと、キッチンからの熱で部屋全体の気温が上がりやすいことがたぶんに影響しているでしょう。
加えて、私はリビングでは床暖房で暖まった床に直に座っているので、部屋の温度が少々低くても問題ないのですw
ついでに、私はエアコンなどで部屋の温度が上がりすぎると頭がぼ~っとするので、部屋の温度はあまり上げたくないというのもあって、2階も比較的低めの温度設定になっています。
我が家は大阪市内にありますが、昨年などは一番寒い時期でも、床暖房の設定温度はほぼ一番低い設定で過ごせました。逆にいうと、床暖房の温度設定を高くしてもそんなに変わらない印象でもあります。
床暖房のためなら熱伝導率の高い薄めの床材がおすすめ
正直なところ、床暖房という視点からみると30mmの床材は完全に失敗です。なぜなら、リビングの床材は15mm厚の檜なのですが、すぐに暖かくなります。
設定温度は6~7で十分ですし、2階ということもありエアコンの必要性は一切感じません。ちょっと暖かくなってきてからは、リビングの方は5、4、3・・・とどんどん設定温度を下げていっています。
これは、やっぱり床材の厚さと、あとはコタツを置いてるのが効いています。
コタツはコンセントには挿さずに、単純に布団だけを掛けて置いています。この状態で床暖房がつけると、コタツ内部はかなり暖かくて快適です。
しかも部屋の温度はあまり高くなりすぎないので、我家のライフスタイルにはピッタリです。
もし仮に私がリビングでコタツなしで過ごすとなると、エアコンが欲しいのかもしれませんw
床暖房ならカーペットを敷いてはいけない!
このように床材の厚さもかなり影響するのです。
もちろん床材が厚い場合は暖まりにくい代わりに冷めにくいというメリットもありますが、そもそも床暖房の場合は低温やけどを気にしてそんなに熱くはならない仕組みのようです。そのため、床材は熱伝導率の高い素材を使った方が効率がいいのかな?とは思いました。
もし仕事部屋も15mm程度の床材だったらもう少し設定温度を下げれたのかもしれません。私にとっては設定温度8や9にしても少々物足りないくらいだったので、ちょっと残念でした。たぶん、感覚的には床材の上にカーペットを敷いているような感じではないかと思います。カーペットの厚みの分だけ身体に熱が伝わりにくいというところでしょう。
床暖房は輻射熱で温めてくれるので物が多い方が部屋全体としては暖まるのでしょうが、それでも床を覆うカーペットのような物はできるだけ避けた方が良さそうです。そういう意味では厚みのある床材というのは微妙ところではあります。
床材が厚いというのはしっかりしていて床その物は安定感があってとてもいいのです。
また、我家のように無垢材を使用した場合、床暖房を付けることで、床材が若干縮みます。そのため、冬の間は床材と床材の間に隙間が出てきます。2階の15mmの檜の場合は見た感じ1~2mm広がっているように思いますが、1階の30mmの赤松はほとんど縮んだりはしていないようですから、そういう意味では厚みのある床材はいいのではないかと思います。それに、床の安定感は30mmの方が遙かにありますから、床暖房の季節以外は30mmの方がよかったと思うところです。
まあ、床暖房という点だけでみれば大失敗です。1年トータルでみれば悪くないのですが・・・
話がそれしまいましたが、床暖房を使うことでエアコンはそれほど使わなくなったのです。
引越し前は、朝はリビングでエアコンを使う日もありましたが、夜はほとんど使いませんでした。しかし、昼間の仕事中はずっとエアコンを使っており、昼間のエアコンだけで毎日200円ほどは使っていた筈です。
従って、冬の最も寒い時期だとエアコンで月の電気代が6,000円以上アップしたのではないかと思います。引越し後は20~30円/日で収まっているようなので月額で1,000円弱のアップで済んでいるはずです。もちろん、その分ガス代がかかっているわけですが・・・
そう考えると、床暖房を使っても使わなくてもそんなに大差はないという計算です。エコジョーズのおかげもあるのかもしれませんが・・・
ちなみに、引越し前と引越し後の仕事部屋の広さですが若干狭くなっています。引越し前が20畳くらいだったのが、17畳くらいになっていますが、そんなに大差はないように思います。それでも部屋自体の暖かさは全然違いますから、純粋に床暖房をつけただけなら、もう少しコストが上がった可能性はありますが、それでも快適さを考えたら雲泥の差です。
エアコンをつけると折角床暖房で快適なのが台無しなのが最も残念なところです。
なので石油ストーブとかガスストーブなどを併用しようかと検討中です。
床暖房の上にコタツを置いてヒーターをつけずに使う
完全に余談ですが、私はコタツが好きです。頭寒足熱でとても好きなのです。
床暖房にしたので、コタツは捨てようかと思ったのですが、引越しの時に持ち込んだので、そのままテーブル代わりに使うことにしました。
ところが、床暖房だけだと寒かったので、試しにコタツに布団を掛けて使ってみたところ、とっても暖かい。もちろん、コタツのヒーターのスイッチは入れていません。
床暖房の暖かさがコタツの布団の中に籠もるので、スイッチを入れているのと全く同じ状態です。
これは、最高です!!!
私が家族の中で一番寒がりですから、私1人がコタツに入っていれば、床暖房の設定温度も低くできますから一石二鳥ですw
床暖房を付けずに後悔するより床暖房を付けて後悔してください!
本当に床暖房にしてよかったと思っています。
とくに、今3月ですが、3月ですと、エアコンがないとまだまだ寒いですが、現在は床暖房だけで仕事をしています。
エアコンのように頭が( ̄。 ̄)ボ〜〜〜〜ッとすることもありませんから本当にいいですよ。とても快適です。
皆様も、イニシャルコストが許せるのなら、是非とも床暖房をおすすめしたいと思います。