家は、究極の耐久消費財です。

恐らくほとんどの人にとって最大の買い物でしょう。しかも、耐久消費財です。

消費財にお金を使うことは、すなわち散財とも言えなくはないわけで、できるだけ使わない方がお金は貯まりやすいのは言うまでもありません。

それでも、少なくとも日本人の多くは家を建てたい、買いたいと思うのではないでしょうか。

そこで、議論になるのが、賃貸に住み続けるのと、自分の家を持つのはどちらが得かというものです。

家は建てるべきであり、借りるべきでもある

結論から書けば、どっちもどっちというところです。どちらにもメリットとデメリットがあり、そのメリット、デメリットを自分はどう思うのかで、判断は変ってくる筈です。

FPさんが賃貸の方が得ですよといっても、それはあくまでも一般論であって、自分にとってはという視点では全く別です。

しかも、どの地域に住んでいるかでも随分変ってくるでしょう。

田舎であれば、かなり安い金額で借りることができるかもしれませんが、一方で借りることができる物件も限られるでしょう。

都会であれば、物件数は多数ありますが、家賃が高かったり、保証人の問題があったり、思うような物件を借りれないこともあります。

賃貸の場合、自分のライフスタイルに合わせた家というのは、まずは期待できませんが、自分で建てれば、ある程度は合わせることもできます。もちろん限られた予算内で納めるためには譲らなければならないポイントも多数あるでしょうが、それでも絶対譲りたくないポイントは死守できるに違いありません。

そう考えると、家を建てたいなぁと思うのも致し方ないのかもしれません。

と、こんなことを考えている私も、家を建てようかなぁ~と最近思っている1人です。

いつか、自分の家が欲しい

資本主義の場合、買うにしても借りるにしても価格は均衡していきます。

借りる方が得ならば、多くの人は借りようとしますし、建てる方が得ならば建てようとする人が増えます。従って、だいたい中間地点当たりの価格帯になるのが自然なのです。

つまりは上述したとおり、どっちもどっちなのです。

で、どちらが得かを考えるとしたら不動産の値上がりが期待できるか否かが最大のポイントと言えそうです。

経済学的にはこれが結論となりそうですが、家を建てるか否かの場合にはそこに感情が入ってきますから、そう簡単な話ではないですね。

「いつか、自分の家が欲しい」と思っている人も多いでしょう。こうなってくると、損得勘定だけでは推し量れません。

家を建てることと借りることのコスト比較

私はかつて家賃11万円のハイツに12年ほど住んでいました。と言うことは家賃として1,600万円近く支払ってきた計算になるのです。

よくある議論ですよね。でも、いざ計算してみると結構払ってるなぁって思いますよね。

あと、30年ほど生きるとして、同条件の家に住み続けますとざっくり4,000万円支払う必要があります。

合計5,600万円也!

なかなかいい家が建ちそうに思えてきますよねぇ。。。

まあ、持ち家だとしても、この金額が丸々不要になるわけではありません。

固定資産税がかかりますし修繕費も必要です。なにより住宅ローンの金利はバカになりません。

とりあえず、住宅ローンを置いておいてちょっと妄想してみましょう。

固定資産税は、ざっくり20~30万円かかるとして月割りすると毎月2万円前後でしょうか。

修繕費も1~2万円/月くらいは積み立てておいた方がいいでしょう。保険などその他諸々もありますが・・・とりあえず置いといて・・・

となりますと月間4万円前後は必要であります。上述の家賃と比較しますと7万円ほど節約できました。

では30年でどのくらい節約できるのかというと、2,500万円ほどです。今までの12年分も足してみても3,500万円です。

中古の一戸建てから新築の一般的な一戸建て位の金額になります。

実に微妙な金額です。ここに住宅ローンがかかってきますし、細かい話をしますと、恐らく光熱費は上がる人が大半です(ちなみに我家では光熱費はあまり大きくあがりませんでした)。

太陽光発電などを設置すれば逆に節約できる可能性は高まりますが、その分初期費用がかかりますから、結局相殺されてしまう計算で考えておいた方が無難でしょう。

住宅ローンを利用する前提で考えると、やや賃貸の方が有利なのかなぁという印象ではあります。

私は家を建てることを選びました

それでも私は、建てることを選びました。

私の場合、若干特殊な事情もあるので、これを読んでいる人の参考にならない可能性は高いです。しかし、恐らくほとんどの人は、他の人からすると特別な事情をもっていることが多いのではないかと思います。気づいているか気づいていないかの問題はあるでしょうか、全く同じ条件の人の方が少ない筈なのです。

それはともかく、私の場合は、まず、仕事は自営ですから、事務所を別途借りているのです。その家賃が、85,000円/月です。

いつまで仕事を続けるかは分かりませんが、これを30年続けますと、これだけで3,000万円になるのです。従って、上記の金額2,500万円と合わせますと今後30年で5,500万円必要となるわけです。

事務所のスペースとしては8畳位あれば十分ですから、一般的な一戸建てでもさほど問題はありません。

この時点で、建てた方が良さそうだなぁという判断になったわけです。

借りたくても借りれない可能性を忘れていませんか?

他にも30年も生きるとなると、いま住んでいるところにずっと住めるとも限りません。そうなったときに新たに賃貸契約できるかというとかなり怪しいというのもあります。

借りたくても借りれないという状況は十分にあり得るのです。

そう、賃貸物件を借りるためには保証人が必要なのです。保証人が不要な物件もありますが、選択肢がぐっと減ります。

加えて年々年齢は増え続けます。いずれ隠居して年金生活となったときに、引越さざるを得なくるケースもあります。例えば、その時住んでいる建物が解体されるなどのケースです。

実際長く生活している場合、建物も年数を経過していますから住民より建物の劣化の方が進みがちです。そうなると建替えや更地にするなど様々な理由で引越さざるを得ない状況になり得るのです。

そうなったときに、引っ越せるのか?というのが最大の問題です。

保証人に関しては、若ければ両親に頼ることもできるでしょうが、年老いてからは逆に子供に頼ることももしかするとできるかもしれません。でも、できないかもしれません。

子供を当てにすると、やはり子供に負担がかかってしまいますし、子供のいない家庭もあるでしょう。兄弟など親戚という選択肢もあるかもしれませんが、何分お金が絡む話ですからいろいろ面倒なことになりそうです。

しかも、収入が少ない場合、やはり借りられない可能性はかなり高まってきますし、物件も古い入居者がほとんどいないようなものになるでしょう。

だったら、家を建てておけばいいんじゃない?と思ったのです。だって、必要な費用は大して差はないのです。

建てても借りても変らないのなら、建てられるなら建てちゃえばいいじゃん!という感じで、私は決心しました。

もちろん別の判断があってもいいはずです。

家を建てるのではなくてマンションを買うという選択

家を建てるのではなくてマンションを買うという選択もあるはずです。

マンションは高級なマンションほど、価格が下がりにくいので家を建てるよりは資産価値があるでしょう。

だったら、マンションに住むというのも悪くないのかもしれません。

ただ、私は、マンション生活がどうも苦手でして・・・

エレベーターが面倒臭い、上下左右の騒音が気になる、若しくは音を出さないようにしなければならないというのが最大の理由です。

管理組合のようなのも苦手です。もちろん家を建てても地域には似たような組織はありますが、都会だとさほど密接な感じはありません。少なくとも私が生まれ育った地域では、いい意味で適当です。

しかし、家を建てた場合には、マンションのような資産価値はあまり期待できません。土地に関しては大きく上がったり下がったりはないでしょうが、建物はどんどん価値がなくなっていきます。

それでも、土地の資産価値は残ります。この点は賃貸選りすぐれた点でしょう。

また、マンションの場合には他にも修繕費や管理費などで毎月数万円の出費があります。ちょっとした家賃並みの金額になることも多いです。

一軒家でも一定額の修繕費の積立は必要ですが・・・

お金だけではない家を建てる理由

ここまでは、お金を基準として、家を建てるべきかどうかを考えてみましたが、実際、家を建てるというのは、得か損かだけの問題でもありません。

上述しましたが、そもそも借りたい間取りの物件がないとか、保証人がいないから借りることができないなど、切実な問題もあります。

一国の主になりたいという欲求もあるでしょう。

でも、私の場合、もっと別の理由もあったのです。

衣食住は、私たちが生活する上に欠かせませんし、もっとも重要となる部分です。

衣食住が乱れていると、健康的な生活はできないのです。

一時期はシックハウス症候群など、住居が原因の健康被害もよく耳にしましたが、最近はそれなりの対策を練られてきたこともあって、さほど耳にしなくなりました。

それでも、住居というのは私たちの身体への影響は重大です。

結露でカビだらけの家に住んでいて、身体にいいわけがありません。しかし、賃貸の場合、結露が発生するからといっても執れる対策はほとんど無いのが現状でしょう。

でも、一戸建てを建てるのであれば、あれこれこだわることは可能です。

最近の建物でよく使われてるものは静電気を沢山発生します。そのため、どうしても埃が部屋の角などに集まって溜まっていきます。

引越しの時にタンスの後ろの壁などが埃で真っ黒になってることを見たことはありませんか?

あれは静電気が原因で埃が壁に張り付いているのです。

ところが、今回私が建てた無垢材など自然素材を使った家の場合は、そのような静電気を最小限に抑えることができるそうです。実際、住んでみた感想としては、確かに静電気の発生は全然違うよう思います。(住んで半年程度では分からないこともあると思うので控目な表現にしておきます)

こういうことをいろいろと調べていきますと、マンションで暮らすのは嫌だなぁ~と思う人も少なくないでしょうし、一戸建てでも建売はマンションとほとんど変らない材質なので、どうせなら自然素材で建ててもらいたいなぁなんてことを思ったりするのです。

そうなると、もはや家を建てるかどうかと言う問題ではなくなってきます。

家は建てなくてはならない。そして、建っている家を買うのでなく、自分で考えて建てなくてはならない。

そんな気になったのです。その辺りの詳細はおいおい紹介していきたいと思います。

ですから、家を損得で建てるか建てないかというのは、あまり意味がありません。最初に書いたように、その時々で有利不利はありますが、だいたい損得のない当たりの価格に落ち着いているものです。

あとは資産価値の有無で上下しているだけですから、建てようが、借りようがさほど損も得もしません。

ですから、家を建てるべきか否かは、自分の考え方、生活スタイルなどをよく考えてみた方がいいのではないかと思います。

更新日:2018/10/06 23:26:24

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