「海外旅行用のクレジットカードなら、アメリカンエキスプレスが最も便利」というのが定説ですが、中国や韓国に行くのであれば、銀聯カードを持っておいた方がいいでしょう。

銀聯カード(ぎんれんカード)は、サブカードとして発行されますから、今持っているカードと併用するだけです。

銀聯カードを選ぶメリットとは?

アジア旅行なら断然「銀聯」

クレジットカード大国である韓国では主要国際ブランドの多くに対応しています。銀聯ブランドは特に中国人観光客からの需要も多く、カード対応可能のお店であれば、ほぼ全店で使用可能です。

次に中国国内の状況を見てみると、クレジットカードの利用が著しく制限されているなかで、観光都市・地方問わず銀聯ブランドだけが普及していると言えます。現地では偽札が流行している現状もあり、小規模な店舗でお買い物するのであれば、クレジットカード利用を徹底したいところ。

シンガポールや台湾・東南アジアでも、中国が国家を挙げてブランド普及に努めているため、アジア旅行であれば銀聯カードだけで完結できると言っても差し支えありません。

逆に、北京や上海といった大都市であっても中国ではVISAカードやマスターカードが使いにくいことがあるくらいですから、アジア、特に中国に行く機会が多いのなら銀聯カードは必須です。

国際ブランドに着目した選び方の利点1…「意外と国内でも使える」

海外旅行での利便性を述べてきましたが、実は国内でも十分に使えます。

東京・大阪・愛知県名古屋市などの主要都市はもちろんのこと、九州全域や京都などでも、観光需要に合わせて銀聯カードの普及が進んでいます。

都心部や観光地にお住まいのかたであれば、後述する審査ハードルの低さに目をつけて、敢えて銀聯ブランドに目をつけてみるのをおすすめします。

国際ブランドに着目した選び方の利点2…「審査ハードルが低い」

国内で銀聯ブランドのカードを発行してくれるのは、後述する三井住友系・またはJALやANAなどの航空会社提携のクレジットカード・アメリカンエキスプレスカードなどに限られます。

航空会社提携・アメリカンエキスプレスに銀聯ブランドを付ける場合、メインであるカードの審査を行った後に”サブカード”として銀聯カードを発行するため、審査難易度はメインカードに準じます。

しかし、この後すぐ紹介する三井住友銀聯カード・各銀行が発行している年会費の低いカードであれば、主婦や学生・アルバイトやパートのかたでも気軽に契約することができます。

直近に債務整理をした人の審査通過報告もあり、金融事故歴があるけれどもショッピング用にカードを持ちたい・学生や新社会人で審査が不安…といったかたには、大変おすすめできます。

銀聯カードのデメリット

まず1点目に、銀聯ブランド単体で発行されるカードには「キャッシング枠をつけられない」ことに注意しましょう。だからこそ、審査の間口を広げることが可能になったのです。また、学生や主婦の場合は、与信枠が最低額の10万円となる場合がほとんどです。

ポイント還元率についても、航空会社提携カード・アメリカンエキスプレスのサブカード以外は上限でも1%。

オンラインでは“PayPal”を通せばお買い物できますが、銀聯ブランドでの直接決済については、大半の国内通販サイトで対応できていません。これを踏まえて、審査ハードルの低さを選び方の目安として、契約しやすく・使いやすい銀聯ブランドのカードを紹介していきます。

主婦やパートでも持てる「三井住友銀聯カード」

審査ハードル

三井住友銀行資本のクレジットカードは「審査が厳しい傾向にある」とされていますが、銀聯カードについてはその定説から外れるものとなります。

あらかじめ与信限度額が10〜80万円と低く設定されており、職業を問わず・過去の重大な金融事故履歴のみを参照するのが基準となっています。直近2〜3年以内に任意整理した人からも、審査可決報告があがっています。

特徴

中国銀行のデビットカードを除いて、銀聯ブランドのみで発行できるクレジットカードとしては、国内ではSMBCかMUFGのいずれかになります。

カード発行まで申込から3営業日以内、海外旅行保険・ショッピング保険は付帯しません。利用額に応じて、三井住友カードのポイントが貯まります。ApplePayなどにも対応し、国内(都心部・観光地)ショッピングで計画的に少額利用をするなら、契約しやすく・利便性の高い1枚。おすすめできる対象としては、

  • スーパーホワイト(ローンを利用したことのないかた)
  • アルバイトやパート勤務の方
  • 専業主婦
  • 来日して就労から1年以内の外国人のかた

これらのかたになります。保険が付帯しないため、海外旅行のメインカードとしては不安が残ります。より利便性を上げるには、このカードで支払い実績を積んで、海外旅行向けの選び方を踏まえつつ、別の国際ブランドのカードを契約・併用していくことをおすすめします。

幅広い層におすすめ「ANA銀聯カード」

審査ハードル

こちらも三井住友銀行が発行しているカードです。ANAと提携している4種のクレジットカードの”サブカード”として発行されるものであることに注意が必要です。つまり、左記の4種のカードの審査可決が出てから、銀聯カードの発行ができます。

航空会社提携カードのなかでもANAは審査ハードルが低く、収入があれば被扶養者の主婦でも審査可決の報告が上がっています。メインカードの審査が通れば、銀聯カードで審査落ちとなることはまずありません。限度額こそ少ないものの、ご自身の収入に不安がある人は、是非検討したい一枚となります。

特徴

こちらと前項の「三井住友銀聯カード」の決定的な違いは、他の国際ブランドも一緒に持てること・ポイントをマイルに変換できることの2点です。

メインカードとサブカードの利用限度額は別となっており、新社会人・主婦・アルバイトなどの属性であれば、両方合わせて100万円の限度額が望めます。その一方で、海外旅行保険・ショッピング保険は付帯しません。おすすめできる対象としては、

  • 韓国・中国などへのプチ旅行を楽しみたいかた
  • 本命のカード審査に通るための実績作りをしたいかた

これらの方になります。

学生・新社会人におすすめ「MUFGイニシャル・アメリカンエキスプレスカード」

審査ハードル

MUFGカードのなかでも”イニシャル”と呼ばれるものは審査ハードルが低く、どのような属性の申込者にも柔軟に対応してくれます。学生名義でも申し込みができ、ご両親に安定した収入があり・とりたてて重大な金融事故歴がなければ、審査可決となる可能性が大きいカードです。

特徴

“イニシャル”カードは、学生・新社会人に優しい1枚です。学生の場合は在学中年会費無料、社会人でも初年度無料・年間利用額が20万円以上となれば、次年度も無料となります。海外旅行保険は上限2000万円まで・ショッピング保険は100万円まで付帯しており、アメリカン・エキスプレスカード(スタンダード)等の旅行に特化したカードに比べれば慎ましいものの、渡航にも十分使えるカードになります。

そのカードのサブカードとして銀聯カードが発行されます。このカードに限らずMUFGカードであれば、サブカードとして銀聯カードを発行することができます。

デメリットとしては、学生だと自動的に限度額が10万円になることでしょう。もちろん社会人になれば、再審査により限度額引き上げも可能です。しかし多くの場合は、社会人1〜2年目までは引き上げ審査を保留されるという実態もあります。このカードをおすすめできる対象としては、

  • 卒業旅行などで急遽カードが必要となったかた
  • 使い過ぎを防止しつつお子様名義のカードを検討中のかた
  • カード利用実績を積みたいかた

これらのかたとなります。旅行回数が増えた・渡航中の利用額が増えたなどの特段の事情があればグレードアップすることも可能なので、積極的に検討していきましょう。

更新日:2019/09/29 23:58:16

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