まず最初に、発音の練習をするべきです。

もしかすると、発音の練習を先にしなくてもいいのかもしれません。しかし、練習しておいた方がいいだろうと思っています。

 

というのも、人間の耳はよくできていて関係のない音は弾いてしまうようで、いわゆる雑音は脳に伝わらないようにフィルタリングされているのです。

もちろん、脳に伝わった音が全て処理されるわけではなく、さらに脳の側でもフィルタリングされています。

 

ここで問題なのが、英語の音は、日本語の音とは異なるという点です。日本語に無い音は、日本人の耳ではフィルタリングされてしまって聴き取り難いのです。

これは、英語だから聞こえないというわけではなくて、自分がいる環境で必要のない音は弾かれてしまう。

だから、東京に住んでいる人が、どこかの田舎に行った場合、その地方の言葉は聞き取りにくい可能性もあります。方言云々の問題もあるが、音自体も異なっている可能性もあるのです。

従って、英語を聴き取る為には、まず英語の音が聴き取れるようにしなくてはなりません。

といっても耳にフィルタリングを切るスイッチなどはないので、そう簡単な話ではありません。

耳だけではなくて脳にも聴き取れるように指示しなくてはなりません。

 

どうすれば英語の音が聴き取れるのか?

基本的には、集中して聴く、という実にシンプルな方法になります。

スピードラーニングに代表される聞き流す英語教材が人気ですが、この聞き流す英語教材の最大の弱点が、実はこの点です。

 

そもそも聞こえない音を聞き流していたら、脳や耳にしてみたら単なる雑音に過ぎません。だから、どんなに聞き流していても英語の学習には繋がらないのです。

「でも、実際にうまくいっている人もいるようだけど・・・」

恐らく聞き流す英語教材で英語が習得できた人は、その教材を始める時点で英語の音を聞き取れるようになっていたのではないかと想像しますw

 

話がそれましたが、英語の音を聴き取る為には、まず、どこかに糸口を見つけなくてはなりません。

ほんの少しでも聴き取れる音がああって、その音に集中することができれば、耳や脳はその音は雑音ではないことに気づいてくれてフィルタリングから外してくれるようになるはずなのです。

じゃあ、ずっと集中して聴いているだけなら、わざわざ英語の発音記号を学ばなくてもいいんじゃないか?と思うでしょう。

実際、学ばなくてもいいのですが、でも学んだ方が早く習得できるのだろうとも思うのです。

 

なぜなら、発音できない音は聴き取れないからです。逆に、聴き取れない音も発音できません。

発音できない音は聴き取れない

これは日本語でも同じです。

私自身、中学生の頃に経験しています。

私自身は大阪生まれ大阪育ちですが、私の両親は和歌山県出身で子供の頃の言葉はかなり和歌山よりでした。

そのため、一つ大きな問題があるのです。

和歌山の人は「ざじずぜぞ」を「だぢづでど」と発音するのです。

だから、私は中学生になって指摘されるまで「ざじずぜぞ」は発音できませんでした。というか、同じ音だとずっと思っていました。

テレビでよゐこの濱口さんが「獲ったど~」って叫んでいますが、あれ、本来なら「獲ったぞ~」の筈なのだ。しかし、なぜか「獲ったど~」と聞こえる。

彼は確か三重県志摩市出身で、あの辺はテリトリー的には和歌山と近い。恐らくなのですが、彼の出身地周辺でも「ざじずぜぞ」が無いんじゃないかと思うのです。

それはともかく、私は両親の影響を受けており「ざじずぜぞ」の存在に気づかなかったわけです。

 

ガンダムに出てくる「ザク」のことは「ダク」と発音していて、当時小学生でしたが同級生に指摘されたものの、私には全く意味不明でした。

なぜなら私の中では「ざじずぜぞ」と「だぢづでど」は同じ音だったのだから仕方ないのです。

 

ところが、中学の国語の授業で、和歌山など「ざじずぜぞ」の発音できない人がいるって話を聞いて、「それ、俺だしw」と気づきました。

そこから、みんなの発音を聞いたりテレビを見てるときに意識するようになったのだが、そうすると確かにちょっと違う音だと分かるようになってきたのです。

 

でも、発音は当然できません。でも発音できないと、いつみんなにバカにされるか分からないので、毎日一生懸命練習しました。

 

そうしているうちに、人が話してる「ざじずぜぞ」もちゃんと聴き分けられるようになってきたし、自分でも気をつければ発音できるようになっていました。

ちなみに、やっぱり未だに「ざじずぜぞ」は苦手です。例えば「ざつだん」といおうとすると「だつざん」になったりする。舌が上手に動かないようです。

このあたりが、大きくなってから習得した言語と、子供が習得した言語の違いなのかな?と思うのと、練習を途中で止めてしまったのが原因ではないかと思います。

 

話がそれましたが、要するに英語でも聴き分けようと努力しない限りは、きっと日本語の枠の外の音は聴き取れません。

聴き取れない音は発音できない。耳が聞こえない人は喋れない。

逆に、聴き取るためには発音できるというのもとても重要です。発音できる音はとても聴き分けやすいのです。

間違っていることに気付かないと修正はできません。そして、聴き取ることと、発音することは常に一対なのです。

 

発音できるようになってくると聴き取れるようになってくる、また、聴き取れるようになってくると正確に発音できるようになってくる。

そもそも聴き取れない音を正確に発音できているか否かは分かりません。発音できる音だからこそ聴き取れるのです。

 

聴き取りと発音の問題は、鶏が先かタマゴが先かの問題によく似ていて一対になっているのですが、どっちが先かとあえて決めるとすれば、聴き取りだろうとおもいます。

赤ちゃんも聴き取りを先にするように、まず、音に集中さえすれば、ある程度は聴き取れます。

発音の教材も多数売られていて、発音の違いをそれぞれの視点で、教えてくれます。

それらを参考にすれば、それなりに聴き分けられるようになるし、その通りに練習すれば、たどたどしいながらも発音できるようになる筈です。

多少発音できるようになってくると、さらに聴き取れるようになってきて、そうすると自分の発音のダメなところも分かってくるので修正できるようになります。

発音の質が上がれば、さらに聴き取りの質が上がります。このように、発音ができるようになるメリットはとても大きいのです。

 

これを英文を聞きながら修得するのは、とても難しいです。なぜなら、英文の中の発音は、辞書に載っている発音記号とは異なるからです。

だから、最初は、単語だけを聴き取れるように、発音記号を学んだ方がいいだろうと、私は思っているのです。

 

もちろん、この時点で極める必要は全くないでしょう。ある程度、音の聞き分けができるようになればいいのです。

 

その後に、英文で嫌と言うほど練習しなくてはならないのだから、ここはその準備段階としてさらっとやってしまいましょう。

 

何にしても、多少ゆっくりめで、進めていこう!

夜、寝ている内に脳が整理して、次の日の朝には聴き取れるようになっている可能性もあります。だから、耳を休ませながら、徐々に学習していこう。

英語学習の序章に過ぎないから、ここは焦らず、徐々に英語学習のペースを上げていくイメージでゆっくりスタートだ!

更新日:2021/02/10 10:46:47

この記事を読んだ人は、こんな記事も読んでいます。